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10月6日付 編集手帳

 作者は中学校の教師をなさっているらしい。〈私語それは痛みだ 僕に向けられていない言葉が僕を突き刺す〉。千葉聡さんの歌集『そこにある光と傷と忘れもの』にある◆生徒の関心を少しでも引き寄せるために、どの先生も教室で知恵を絞っているのだろう。このところ、知恵を絞りそこねて脱線した先生のニュースが続く◆愛知県内の小学校で、算数の時間に「18人の子供を1日に3人ずつ殺したら…」という割り算を出題した先生にたまげたばかりだが、山梨県内の小学校には、道徳の時間に身代金要求の“脅迫文”を作らせた先生がいたという◆どちらの先生も、授業を面白くし、児童の興味を引きたかった、と話している。熱意が余っての脱線であったとしても、ウケてナンボの商売ではなし、節度のブレーキはあってよかろう◆高校教師の経歴をもつ俵万智さんにも教育現場の苦労がしのばれる歌がある。歌集『サラダ記念日』より。〈トロウという字を尋ねれば「セイトのト、クロウのロウ」とわけなく言えり〉。私語は痛くとも、徒労はむなしくとも、先生は先生らしく頑張っていただくしかない。

2010年10月6日01時46分  読売新聞)
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