HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 05 Oct 2010 22:13:32 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:議会リコール 『46万人の署名』の重み:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

議会リコール 『46万人の署名』の重み

2010年10月5日

 市民税減税などで河村たかし市長と対立する名古屋市議会の解散請求に、必要数を超す約四十六万人分の署名が集まった。まだ第一関門だが、この重い民意を議会はむろん市長も受け止めてほしい。

 解散請求(リコール)のため市長派の市民団体が八月二十七日に始めた署名集めは、九月中旬から地下鉄など市内の全駅前で呼びかけ、ぐんと広がった。

 次の住民投票に進むには、市内有権者の五分の一に当たる約三十六万六千人の署名が必要だが、十万人も上回ったことになる。

 選挙人名簿との照合、重複の排除など、有効数の確定に一カ月ほどかかる。解散には住民投票で過半数の賛成が必要だ。

 とはいえ、神戸空港建設をめぐる神戸市での三十五万余を超え、一都市では最多の提出署名数となった民意は重い。長年、主要政党の相乗り市長との「なれ合い」にしか映らなかった市議会が今さら「自ら改革を」と叫んでも、不信を抱く市民はこんなに多い。

 議員報酬しかりである。先月、市議会は月十万円減らし七十九万円にした。それでも期末手当を含め年千四百万円ほど。河村市長が半減の年八百万円を提案し、署名した市民の多くが「報酬が高すぎる」と理由を挙げても、だ。

 今回の削減は来年四月までの限定だし、年四百四十五万円もの期末手当もそのまま。本気度を問われても仕方あるまい。

 「議会が市民税の恒久減税を阻んだ」と署名活動を先導した河村市長も、重い責務を負った。

 出直し市議選に、自ら代表を務める「減税日本」から候補を立て、定数七五の議会の過半数を握る−。これが河村市長の戦略だ。

 しかし、地域とつながりの深い従来の議員らを相手に、河村人気だけで候補たちが勝てるのか。夏の参院選で躍進したみんなの党も市議選への候補擁立を決めた。河村市長の戦略が外れ、議会の構成が変わらなければ、市長と議会の対立は解消されない。

 片山善博総務相は、住民投票など直接請求制度を拡充する方針を示している。市長と議会が対立した時、民意を聞く手段になるが、双方が民意に沿って解決へ努力せねば結局は収まらない。

 署名した市民が河村市長に望むのは、議会との闘いよりも、改革の実現ではないか。議会や市民の懸念にも耳を傾け、よく説明し、改革の果実を市民にもたらすことこそ欠かせないはずだ。

 

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