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【コラム】

筆洗

2010年10月5日

 <正しく見るためには二度見よ。美しく見るためには一度しか見るな>。十九世紀のスイスの哲学者アミエルが日記に残した言葉だ。正しく判断するためには、繰り返し見つめる必要があるが、見たくない醜さも視野に入る。それを正視したくないなら、二度見る必要はないというのだ▼個人の美学の問題なら、見たくないものは目をふさげばいい。しかし、公の立場の人物の政治生命も左右する判断なら、目を覆っているわけにはいかない▼民主党の小沢一郎元幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、東京第五検察審査会が出した結論は「起訴議決」。審査会のメンバーが、提出された証拠をさまざまな角度から慎重に吟味、判断した結果だと思う▼今後、小沢氏は強制起訴されることになる。刑事責任の有無を法廷ではっきりさせてほしいという審査会の思いを、裁判所は正面から受け止めてほしい▼二度の不起訴処分をそれぞれ覆される異例の事態を招いたのは、小沢氏の刑事責任を問える確たる見通しもないまま、捜査に着手した東京地検特捜部の失態だ。大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件と次元は違うが、検察の劣化を象徴している▼起訴イコール有罪ではなく、「推定無罪」の原則は、尊重されなくてはならない。ただ、刑事責任と政治責任は別である。小沢氏には国会の場で釈明してもらいたい。

 

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