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10月4日付 編集手帳

 中国共産党では、日本の自民党が重要な研究対象になっているという。民主的な選挙をしながら長期政権を維持できたノウハウを学び、共産党支配の永続に生かせないか、という発想らしい◆日本の歴史から何がしかのヒントを得たいなら、中国には、戦後の自民党史よりも昭和戦争に突入していく戦前の歴史こそ勧めたい。日本は当時、政治家が軍部の暴走を抑えられず、一般国民の愛国ムードに()されて、対英米戦争に歩を進めた◆昨今の中国海軍力の増強ぶり、尖閣沖漁船衝突事件で「反日・愛国」に染まるネット世論、それを抑えるどころか逆に(あお)られて対日強硬姿勢に出た党の指導部や外交当局…。なんと戦前の日本と重なり合うことか◆米国が昭和14(1939)年、日米通商航海条約の破棄を宣言し、対日経済制裁に(かじ)を切ったのは、中国・天津租界での日本軍の横暴を英国が抑えられず譲歩したことに危機感を抱いたためだった◆戦前の日本が自ら「ABCD(米英中蘭)包囲網」を招いたように、中国は東シナ海や南シナ海で摩擦を繰り返していたら、米国やアジア諸国の対中連携を強めるだけだ。

2010年10月4日01時06分  読売新聞)
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