HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37285 Content-Type: text/html ETag: "15de21-1611-ae227340" Expires: Sat, 02 Oct 2010 22:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 02 Oct 2010 22:21:42 GMT Connection: close エコカー補助 終了後の反動減をどう防ぐ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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エコカー補助 終了後の反動減をどう防ぐ(10月3日付・読売社説)

 政府のエコカー補助金制度が終了し、自動車の売れ行きに急ブレーキがかかった。

 この危機をどう乗り切って行くか。自動車各社の戦略が問われそうだ。

 省エネ性能に優れた車の購入を支援する補助金制度は、昨年春から導入された。最大25万円もらえる内容が好評で、政府の予算枠を使い切り、9月末の期限を待たず打ち切られたほどだ。

 このおかげで、国内新車販売台数が12か月連続で前年を上回るなど収益を押し上げ、金融危機後に赤字に転落した自動車各社の業績は昨年夏以降、急回復した。

 補助金制度はすそ野が広い自動車産業を復活させ、景気下支えにもひと役買ったと評価できる。

 しかし、業界の試練はこれからである。好調だった売れ行きは、新車購入の需要を先食いした結果と見られるからだ。

 9月の新車販売は前年比で13か月ぶりに減り、10月以降、2〜3割減少すると予想される。各社の減産も見込まれる。

 米欧やアジア向けなどに輸出を伸ばしてきた業界にとっては、円急騰も懸念材料だ。輸出競争力が低下して収益が圧迫されそうで、補助金終了と円高の“ダブルパンチ”と言えよう。

 トヨタ自動車や日産自動車などが、実質値下げに踏み切ったり、販売店に支援金を出したりして、国内販売をテコ入れしている。

 逆風をはね返そうと、各社が販売促進策を競うのは当然だ。エコカーを求める消費者の潜在的なニーズは大きい。2012年春まで継続されるエコカー減税を追い風にして魅力ある車を積極的に売り込み、市場を開拓してほしい。

 トヨタは来年秋に軽自動車市場に参入することを決めた。消費者の節約志向が強まり、割安感のある軽自動車の人気は高い。今や、新車総販売台数の3割超を占めるほどに急成長してきた。

 トヨタは有望市場に参入し、販売減を食い止める作戦だ。スズキなどとの競争は激しくなるが、顧客層が広がる期待もある。

 勝ち残りを目指す各社に中長期的に求められるのは、世界のライバル社が競う電気自動車や燃料電池車などの次世代カー開発を加速することだ。追突防止機能などを付けた安全対策も課題になる。

 政府は追加景気対策に、エコカーの研究開発施設や部品工場などの建設を支援する制度を盛り込んだ。産業の空洞化を防ぎ、日本経済を牽引(けんいん)する自動車業界への一層の支援強化が欠かせない。

2010年10月3日01時19分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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