HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 03 Oct 2010 00:11:27 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:考古学を専攻する学生が大幅に減り、後継者不足が深刻化してい…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年10月3日

 考古学を専攻する学生が大幅に減り、後継者不足が深刻化している。就職先が減っていることに加え、十年前に発覚した旧石器発掘ねつ造事件が、考古学全体のイメージを悪化させたことが大きく響いているという▼この事件が教えてくれるのは、地の底まで失墜した信用は、十年たっても回復は難しいという厳しい現実だ。エリート集団を自負するこの組織も、同じ悲哀を長く味わうことになるのだろう▼大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件は、前特捜部長らが逮捕されるという信じ難い展開になった。主任検事が証拠データを意図的に書き換えたことを知りながら、検事正らにうその報告をして隠ぺいしたことが事実なら、検事総長のクビだけでは収まらないだろう▼特捜検察がここまで腐敗した背景には、「共犯者」の存在がある。被告の法廷の供述より、検事調書の信用性を重視して有罪判決を出し続けた裁判官の責任は重い▼政財界の不正をただす「最強の捜査機関」の捜査の問題点には目をつぶり、応援団化した感のあるマスメディアの取材も自省が必要だ。「特捜神話」に寄りかかり、権力監視という使命を忘れてなかったか▼裁判員制度の導入を機に、裁判所と検察の“蜜月”にも変化が見えてきた。その象徴的な出来事が村木厚子さんの無罪判決だったように思う。検察だけを非難して済む事件ではない。

 

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