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ねじれ臨時国会 懸案処理へ与野党は歩み寄れ(10月1日付・読売社説)

 政党間で議論を尽くす「熟議の民主主義」で衆参ねじれ国会を乗り切る――。そう主張する菅首相の本気度と手腕が、厳しく問われよう。

 秋の臨時国会が、きょう召集される。今年度補正予算案の審議が、ねじれ国会の行方を占う重大な試金石となる。

 菅政権は、与野党が法案・政策ごとに連携する部分連合を模索する方針だが、簡単ではない。民主党が打診した補正予算案の事前協議は野党に拒否された。24日の衆院北海道5区の補選を控え、自民党などに協調ムードはない。

 一方で、円高・デフレ対策や雇用拡大など補正予算案の必要性や内容では、与野党の主張はかなり共通している。衆参ねじれという政治の事情で、日本経済の足を引っ張ることは許されない。与野党は合意形成に努力すべきだ。

 その一義的な責任は無論、政府・与党側にある。補正予算案に野党の要望を反映させるという当面の対応にとどまらず、野党が求める民主党の政権公約の抜本的な見直しに踏み込むことが必要だ。

 子ども手当や高速道路無料化などのバラマキ政策は、国民の支持も少なく、財源不足で破綻(はたん)状態にある。公約の「原点回帰」を訴えた小沢一郎元代表を党代表選で破ったことで、菅首相が公約を見直す環境は整っているはずだ。

 臨時国会のもう一つの焦点は、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件である。野党側は、菅政権を揺さぶる格好の材料と見ている。

 菅首相は30日の衆院予算委員会の集中審議で、那覇地検による中国人船長釈放について「捜査への介入は一切ない」と強調した。

 政治介入を否定する政府の説明は、無理がある。日本側が船長を逮捕、拘置延長しながら、拘置期限前に突然釈放した場当たり的な対応の背景には、中国側の強硬姿勢への誤算も否定できない。

 野党が、民主党政権の対中外交は拙劣だと追及したいのは、一応理解できる。だが、単なる政府批判の繰り返しは、菅政権の内外の信頼を(おとし)め、中国を利するだけで結果的に国益を害しかねない。

 今後、尖閣諸島という領土を守るために具体的にどうするか、という建設的な議論が望まれる。

 首相が来週のアジア欧州会議出席を国会日程より優先したのは、尖閣問題に関する日本の立場を国際社会に訴えるうえで妥当だ。

 北沢防衛相も、12日の東南アジア諸国連合拡大防衛相会議に出席を希望している。野党は、国益を重視して出席を認めるべきだ。

2010年10月1日01時28分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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