HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Thu, 30 Sep 2010 21:13:34 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:景気動向 腰折れ懸念が強まった:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

景気動向 腰折れ懸念が強まった

2010年9月30日

 日銀の企業短期経済観測調査(短観)で、足元の堅調さとは裏腹に、景気の先行き懸念がはっきりした。政府は補正予算の中身を詰めるとともに、日銀も一段の金融緩和に踏み出すべきだ。

 景気が好調といわれても、首をかしげる向きも多いだろう。それは将来に光が見えないからだ。

 今回の九月短観は業況が良いとみる企業から悪いとみる企業の割合を引いた業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス八と前回の六月調査に比べて七ポイント改善した。これで六期連続の改善になる。

 世界経済は二〇〇八年のリーマン・ショックに端を発した金融危機で一挙に冷え込んだ後、ゆっくりと回復し始め、日本も輸出製造業を中心に恩恵に浴した。

 ところが、ここへきて再び暗雲が漂い始めている。

 米国は失業率が高止まりし、消費もぱっとしない。連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が「必要なら追加的な金融緩和をする」と表明したのも、回復力の弱さが背景にある。米国が景気の二番底に陥るようなら、日本経済への悪影響は免れない。

 加えて、七月以来の円高が輸出製造業に大きな打撃になった。政府・日銀の市場介入で円急伸は食い止められたが、効果は一時的とみられている。実際、円はニューヨークと東京市場で再び、一ドル=八三円台に突入した。

 こうした先行き不透明感を反映して、短観も三カ月後の見通しは大企業・製造業でマイナス一と七期ぶりに悪化した。全十六業種中十一業種が悪化し、とくにエコカー補助金の支給が終了する自動車は三八ポイントも大幅に下げた。

 金融危機の再燃が不安視されている欧州や回復テンポが緩やかになっているアジアも視野に入れると、ここは政府・日銀が財政金融政策によって、景気の下支えに動くべき局面だろう。

 政府は補正予算の策定作業に入っているが、予算規模の議論が先行したきらいがある。それよりも何に使うかだ。雇用・人材育成など名目はともかく、目先の景気刺激なのか中長期的な成長確保なのか、狙いをはっきりさせて、めりはりのある中身にしなければならない。

 日銀も来週の金融政策決定会合で、はっきりと金融緩和に動くべきだ。先の介入では介入資金を市場に放置する実質的な緩和策としたが、長期国債の買い入れ増額も視野に入れる必要がある。

 

この記事を印刷する





おすすめサイト

ads by adingo