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9月28日付 編集手帳

 ハマグリの貝は上下ぴたりと合うが、逆向きに合わせようとしても合わない。物事の手順や結果が食い違うことを「ぐりはま」という◆尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件は“ぐりはま”である。那覇地検が「日中関係をも考慮して」中国人船長を処分保留のまま釈放したことで、政府は相手の態度が軟化するのを期待しただろう。思惑と食い違い、中国側は日本に謝罪と賠償を要求するなど、強硬姿勢を変えていない◆こちらが半歩譲ったときに相手も半歩さがるかどうか、腹を探ってこその外交である。相手に一歩を踏み出され、首をかしげているようでは困る◆検察が政権の意向を忖度(そんたく)したのか。政権が検察に働きかけたのか。両者あ・うんの呼吸か。釈放の経緯がいずれであったにせよ、「検察外交」などは金輪際あってはなるまい。毅然(きぜん)と、かつ冷静に、周到に、菅政権には本来の外交を見せてもらおう◆日本国語大辞典(小学館)によれば、「ぐりはま」から「ぐれる」が生まれ、「ぐれる」から「愚連隊(ぐれんたい)」が生まれたという。拙劣な“ぐりはま外交”がつづいて、妙な連中に領海が荒らされる事態を憂える。

2010年9月28日01時26分  読売新聞)
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