HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 27 Sep 2010 21:11:41 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:日米首脳会談 同盟『進化』の礎を築け:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

日米首脳会談 同盟『進化』の礎を築け

2010年9月27日

 菅直人首相とオバマ米大統領は首脳会談で、日米同盟関係の重要性を確認し合った。今年は日米安全保障条約改定五十年の節目の年。日米同盟を「進化」させる礎を築かなければならない。

 菅、オバマ両氏の首脳会談は二回目。首相の民主党代表再選後は初めてで、大統領は「望むような経済成長ができないときに再選したのは、指導力のたまものだ」と祝意を表明した。

 会談は、米軍普天間飛行場返還や米国産牛肉輸入など両国間の懸案事項を棚上げし、全体として同盟の重要性を強調する内容だ。

 日米関係の弱みを見せれば、中国の海洋権益確保の動きを勢いづかせかねない、との判断が働いたとしても不思議はない。ただ、それだけでは受け身にすぎる。

 日米両国は、同盟関係を深める「深化」の作業を進めているが、安全保障面だけを深めるのではなく、協力分野を広げて「進化」させることが必要だ。

 地球的規模の課題に協力して取り組む「進化」した日米関係を見せることが、日米安保体制の信頼性を高め、それがアジア・太平洋地域の平和と安定につながる。

 そのヒントは大統領自身の「地域を超える課題に、日本は欠くことができない。核不拡散、テロ、気候変動(の問題)に米国として協力していきたいし、うまくいくと思う」との言葉の中にある。

 核拡散やテロ、地球温暖化、さらに食料・エネルギー不足、感染症、貧困などは国際社会が直面する現実の脅威であり、オバマ政権と日本がそれぞれ積極的に取り組んできた課題だ。

 日本がこうした課題の解決を期待され、両国が協力し合えば、日米関係は確実に前進する。

 首脳会談は、その礎を築く好機となり得たが、時間が限られていたとはいえ、突っ込んだ意見交換ができなかったのは残念だ。

 残念なことはもう一つある。普天間飛行場の返還問題だ。

 首相は、代替施設を名護市辺野古沿岸部に建設する日米合意に沿って進め、沖縄の負担軽減にも努力する考えを示した。

 しかし辺野古への「県内移設」では沖縄県民の基地負担の抜本的な軽減にならないことこそ、率直に伝えるべきではなかったか。

 首脳間で強固な信頼関係を築けば、日米合意以外の解決策を探ることも不可能ではない。普天間問題が、同盟「進化」の妨げになる状況は一日も早く解消すべきだ。

 

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