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9月26日付 編集手帳

 後年、中国革命の父と(たた)えられるその人に、日本の実業家、梅屋庄吉が言った。「君は兵を挙げたまえ。我は財を挙げて支援す」。1895年(明治28年)、互いに20代、若き孫文と梅屋が盟約を結んだ瞬間である◆その様子は、東京・日比谷公園でレストラン「松本楼」を営む小坂文乃さんの著書「革命をプロデュースした日本人」(講談社)に詳しい。小坂さんは梅屋の曽孫であり、松本楼は日本亡命中の孫文が度々訪れて人脈を広げた場所だ◆2年前には福田首相(当時)と胡錦濤国家主席の会食の場ともなった。胡氏はその際、孫文と梅屋の交流資料をじっくり参観した後に「中日友好 世世代代」としたためている◆これをきっかけに今年8月末、上海万博で「孫文と梅屋庄吉」展が実現し、2万人が来場した。今月には北京でも開かれ、好評だったと聞く。ところが来月の武漢での開催は中国側から〈日中外交情勢の都合により延期する〉との通知があったそうだ◆きのう25日、日比谷公園では松本楼の秋の恒例行事、10円カレーが振る舞われた。きっと複雑な思いが、スパイスに加わったことだろう。

2010年9月26日01時05分  読売新聞)
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