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9月24日付 編集手帳

 射撃練習をしている男の銃を見て、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)が言う。「これは女性用の銃ですね」「その通り。銃に詳しいようですな」「いや。女性のほうに少々」◆映画“007”シリーズ『サンダーボール作戦』の会話を、字幕の名セリフを集めた和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』(文芸春秋)から引いた。本物のボンドも、こういうセリフを口にしそうな人だったらしい◆英国の対外情報部(MI6)の歴史をまとめた本が刊行された。極秘文書すべての閲覧を許された執筆者による「正史」という◆1909年の創設から冷戦初期まで約40年間のスパイ活動を詳述し、作家のサマセット・モームが所属していたことも確認された。ボンドの本物は映画の彼そのままに、「美女と速い車が好きなスパイ」だったという◆米国には、超小型の銃やカメラを展示したスパイ博物館もつくられた。過去のスパイたちがベールを脱いでいく時代なのだろう。アフガンやイラクといった混迷の地を見れば確かに、「女性のほうに少々」というセリフの似合うスパイが活躍しそうな場所ではない。

2010年9月24日02時05分  読売新聞)
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