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【社説】

介護保険 持続可能な制度目指せ

2010年9月24日

 介護保険は超高齢社会を乗り切るのに欠かせない。厚生労働省は二〇一二年度の制度改正を念頭に年内をめどに見直しを進めているが、将来とも安定的に維持される仕組みを目指してもらいたい。

 厚労省・社会保障審議会の介護保険部会は今月、高齢者(六十五歳以上)の一二年度から三年間の保険料についての見通しを明らかにした。現行制度通りだと一カ月当たり五千円を超し、現在の四千百六十円よりも二割以上増える。

 年金暮らしの高齢者にとって、負担が限界に近づいていることは間違いない。

 保険料は制度スタート直後の二〇〇〇年度では二千九百十一円だったが、三年おきの改定のたびに上がり続けた。

 最大の要因は介護を必要とする要介護者(要支援者)の増加だ。二〇〇〇年の二百十八万人から〇九年には四百六十九万人に増えた。これに伴い総介護費用は制度発足時の三・六兆円から〇九年度には七・七兆円に膨れ上がった。

 今後もこの傾向は続く以上、政府・厚労省がすべきは、国民が求める介護サービスを実現するには、どれだけの負担増になるかはっきり示すことだ。

 増大する要介護者を支えるには介護の担い手を増やさなければならない。〇五年の時点で百十三万人の介護従事者は二五年には二倍以上必要とされる。国内の労働力人口全体が減る中でこれだけ確保するには処遇の改善しかない。

 介護労働は厳しい割には給与が全産業の平均よりも十万円以上低い。〇九年四月の介護報酬3%引き上げや、〇九年十月から二年半の暫定措置である「処遇改善交付金」だけでは不十分だ。

 処遇改善の費用は国民皆で負担しなければならない。

 特別養護老人ホームなど入所施設の個室化が今後進むと介護費用を押し上げる。低所得、生活保護受給者も個室に入れるようにすると介護費用はさらに増える。

 だが、部会では介護充実のための意見が多く出る半面、負担の分かち合いについては突っ込んだ議論がなされていない。

 介護費用のうち利用者負担は一割だが、この割合のままでいいのか。被保険者の範囲を広げ四十歳未満からも保険料を徴収する場合、理解が得られるか。利用者負担を除いた介護給付費の半額は税金で賄っており負担割合の引き上げも一案だが、財源をどこに求めるかをはっきりさせなければならない。今後詰めるべき点は多い。

 

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