
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37692 Content-Type: text/html ETag: "1008bc-15ec-485af240" Expires: Thu, 23 Sep 2010 03:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 23 Sep 2010 03:21:45 GMT Connection: close
![]() 原油流出事故 安全基準の強化へ教訓生かせ(9月23日付・読売社説)米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で起きた原油流出事故で、英石油大手BP社は、発生から5か月たってようやく、流出源の深海油井を完全に封鎖することに成功した。 水深約1500メートルの海底にある井戸から流出する原油を止める作業は困難を極めた。 何度もの失敗の末、海底の井戸口に密閉性の高いふたをかぶせてまず噴出を止めた。さらに大量の泥水を井戸内に流し込んで高圧の原油を押し下げ、井戸の底をセメントで完全にふさいだ。 だが、これで終わりではない。推定流出量は史上最悪の78万キロ・リットルに達している。米国で過去最悪の原油流出事故だった1989年3月のタンカー座礁事故(アラスカ州)の時の20倍の量だ。 流出原油の多くは、回収されたり、海上で燃焼処分されたりしたが、かなりの原油が海中に残留したままだ。その回収を急ぐとともに、汚染された海を元に戻さなければならない。 メキシコ湾の豊かな水産資源や自然環境への影響は、数十年にわたって残るとの見方もある。 問題の油井の開発にあたったBP社が支払った代償は大きい。 オバマ米大統領の異例の強い要求を受け入れ、事故の被害に対する補償支払いにあてるため、第三者が管理する預託口座に200億ドル(約1兆7000億円)を拠出することを約束した。 4〜6月期の決算は、事故補償費などとして320億ドル以上を損失計上した結果、それまで5連続四半期の黒字が170億ドル超の赤字となった。配当を中止し、資産を売却して補償費を工面する。 BP社は、噴出防止策が機能しなかったことを認めている。大きな事故を起こせば、巨額の補償費用を負担しなければならないという重い教訓だ。 事故の原因究明は、オバマ大統領が設置した特別委員会が進めている。作業手順や工法、施工の監督責任、安全対策などの調査結果報告は来年1月に提出される。 徹底的に調査し、効果的な再発防止策を講じてもらいたい。 今回の事故を契機に、米国では沖合油田開発の安全基準の強化に向けた動きが出ている。 世界的にも、原油開発は石油需要の急増を背景に、より沖合へ、より深海へ、新たな油田を求める傾向が強まっている。とくに、メキシコ湾、ブラジル沖、西アフリカ沖が活況を呈している。 地球環境を守るため、国際的な安全基準作りも急ぐべきだ。 (2010年9月23日01時02分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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