HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 21 Sep 2010 00:11:56 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:人気女優を妻に持つ元俳優が起こしたスキャンダラスな事件は、…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年9月21日

 人気女優を妻に持つ元俳優が起こしたスキャンダラスな事件は、芸能マスコミの格好の話題になった。テレビのワイドショーや週刊誌が連日、報道したニュースを好奇心から、あるいは無意識のうちに見聞きした人は多いはずだ▼その一年後、その元俳優が起訴された法廷に、自分が裁判員として座るかもしれない。そんなことを意識していた人は、まずいなかっただろう▼気付かないうちに蓄積された事件の情報が、裁判員に予断を与えなかったか。保護責任者遺棄致死など四つの罪に問われた押尾学被告の裁判員裁判は、この点でも注目された▼東京地裁の判断は、合成麻薬を服用して、容体が急変した女性の救命は「確実だったとはいえない」と起訴内容の「致死」を退け、検察側主張の大きな柱が崩れた▼「芸能人だからと意識しなかった」「客観的事実を見ることに徹した」。判決後の記者会見で、裁判員は冷静な判断ができたと振り返った。この裁判だけで判断するのは早計かもしれないが、頭を切り替えて審理に臨む柔軟さがうかがえる▼裁判員法の立法過程で、事件報道に影響されやすい「裁判員像」をつくり、事件報道のあり方に細かく注文を付けたのは最高裁だ。偏見を持った報道は論外だが、たとえ先入観を抱いた人が裁判員になっても、それをリセットするよう説得できないなら、裁判官失格である。

 

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