HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 15 Sep 2010 20:13:50 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:「あなたの最高傑作は?」。新聞や雑誌の記者から、そう問われ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年9月15日

 「あなたの最高傑作は?」。新聞や雑誌の記者から、そう問われたチャールズ・チャプリンはいつも「ネクスト・ワン」(次の作品さ)と答えたという▼「喜劇王」の創造力を支えていたのが、過去の栄光に甘んじない向上心だったとすれば、総理を目指す政治家が秘めているのは、権力への飽くなき意志なのだろう▼敗者には、ネクスト・ワンの道がほぼ閉ざされる激烈な権力闘争が終わった。民主党代表選を制したのは菅直人首相。「政治生活の総決算」と訴えた小沢一郎前幹事長は国会議員票は互角に持ち込んだものの、党員とサポーター票で首相に圧倒された▼再選を果たしたとはいえ、菅さんにはひと息つく余裕はない。勝因も、一年で三人も首相が代わるのはおかしいという消極的な支持にすぎず、ねじれ国会、普天間飛行場移設問題、急速に進む円高などいばらの道が続くのだから▼「お約束したとおりノーサイド」と菅さんは挙党態勢を強調するが、激しい中傷合戦を繰り広げた両陣営には「しこり」が残らないはずもなく、党の分裂を憂う声は根強い▼「人間には、憎悪や不快を忘れさせてしまう性質がある」。これもチャプリンの言葉。何のための政権交代なのかという原点に戻れば、党内抗争を激化させる愚かさを悟るだろう。それでも割れてしまうなら、最初からその程度の集団だったということだ。

 

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