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9月14日付 編集手帳

 故・毛沢東主席が中国国内を旅する列車には時刻表がなかった。主治医として随行した李志綏(りしすい)氏が『毛沢東の私生活』(文芸春秋)に書いている。〈毛が目をさましたときにだけ列車は走り、眠ると停車するのであった〉◆専用列車が通ったあと、列車ダイヤが正常に戻るのに1週間ほどかかったというから、自分の気ままな時計で他人の時間を支配する“皇帝気取り”は一般の人々にはいい迷惑だったろう◆「皇帝の時計」は健在である。戴秉国(たいへいこく)・国務委員(副首相級)が丹羽宇一郎・駐中国大使を真夜中の午前0時に呼び出した◆中国漁船の違法操業事件で改めて日本側の対応に抗議したというが、一刻を争う用件ではない。「お〜い、水」と小間使いを呼ぶようなやり方は礼儀を欠いている。日本政府は、相手の水準に合わせて品位を落とさぬよう礼節を保ち、法にもとづいて事件を粛々と処理すればいい◆昨年12月の小沢一郎・民主党幹事長(当時)が率いた総勢600人の巨大訪中団を思い出す。中国側の目には、拝謁(はいえつ)()う群衆と映ったことだろう。“皇帝気取り”の勘違いが生まれた一因かも知れない。

2010年9月14日01時25分  読売新聞)
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