
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37578 Content-Type: text/html ETag: "100a6e-15ba-755d2340" Expires: Sat, 11 Sep 2010 03:21:39 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 11 Sep 2010 03:21:39 GMT Connection: close
![]() 村木元局長無罪 検察はずさん捜査を検証せよ(9月11日付・読売社説)検察の完敗といえる内容だ。判決は「犯罪の証明はない」として、検察が描いた事件の構図をことごとく否定した。検察は一連の捜査を徹底検証しなければならない。 郵便不正に絡む偽証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長の村木厚子被告に、大阪地裁が無罪判決を言い渡した。 大阪地検特捜部が立証しようとしたのは、村木被告が国会議員からの口添えを背景に、自称障害者団体への偽証明書の作成を部下に指示した、という構図だった。 捜査段階では、村木被告の上司や部下が特捜部の筋立てに沿った供述をしたが、裁判に入ると相次いで供述内容を覆した。特に、村木被告から直接指示を受けたとされた元係長は、自らの単独犯行だったと証言した。 公判で地裁は「検事の誘導があった可能性がある」として元係長らの供述調書に信用性を認めず、証拠として採用しなかった。判決も「検察官の主張する事実の中核は客観的状況と合わず、認定できない」と断じている。 特捜部が誤った筋立てに沿った調書を作成し、それを根拠に被告らを起訴したということだろう。思い込みに基づく、ずさん捜査と言われても仕方あるまい。 事件捜査では、容疑事実を裏付けるため、関係者の証言や物的証拠を十分に集めた上で起訴するのが基本だ。ところが特捜部が、口添えしたと見ていた国会議員を聴取したのは、村木被告を起訴した後のことだった。 こうした捜査方針は、上級庁である大阪高検や最高検の了承を得て決められていた。基本を欠いた地検の捜査をチェックできなかった上級庁の責任も重大だ。 さらに特捜部は、取り調べの際に作成したメモを廃棄していた。取り調べメモについては、最高裁が「裁判手続きにおいて証拠開示の対象になる」との判断を示している。不都合な証拠を隠したとも受け取られかねない。 検察は過去、ロッキード事件やリクルート事件など、数々の政官界汚職を摘発してきた。今回のように、裁判の過程で次々と捜査の問題点が露呈するようでは、これまで得てきた国民の信頼を損ねることになろう。 検察には控訴する道も残されているが、今必要なのはメンツを捨てて捜査を再点検することだ。 検察官の資質も問われよう。若手検事の指導も含め、組織全体の見直しが急務である。 (2010年9月11日01時43分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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