HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 36279 Content-Type: text/html ETag: "f5c7f-115f-5ce88b00" Expires: Fri, 10 Sep 2010 23:21:47 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 10 Sep 2010 23:21:47 GMT Connection: close 9月10日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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9月10日付 よみうり寸評

 戸籍上「東京都内最高齢」は天保3年(1832年)生まれで消除されないまま177歳になる男性。坂本龍馬の姉「乙女姉やん」と同じ年の生まれになるとは驚いた◆が、その上を行く200歳、192歳など江戸後期から明治の生まれだが、戸籍上は「生存」している行方不明の高齢者が全国各地で次々に判明、二度びっくりだ◆戸籍は年金、選挙権などにかかわる住民基本台帳とは異なるので「行政に支障はない」とお役所。だが、こんな珍事態は正す方がいい。住民基本台帳だって「消えた高齢者」が波紋を広げている◆〈長寿社会〉は誇るべきだが、課題は多い。〈無縁社会〉の現実を改めて考えさせられる。無縁社会とは、こなれた表現ではないが、だれもが理解する◆それは家庭や地域社会で人間の(きずな)が弱くなっていると意識しているからだろう。お役所仕事の無神経もさることながら、消えた高齢者を生む原因を思う◆家出、行方不明、ホームレス、孤独死……不幸な家庭はさまざまに不幸である。そんな名言を実感する。

2010年9月10日14時53分  読売新聞)
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