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9月10日付 編集手帳

 かつて本紙に載った小学6年生の詩がある。〈オレの身体を/血が走る/汗が流れる/涙()く/生きてる証拠だ/足もくさい〉◆足については()しくも、19世紀フランスの小説家フローベールが『紋切型辞典』(岩波文庫)で同じことを言っている。〈【(にお)い(足の)】健康のしるし〉。子供の鋭い感性に恐れ入る◆健康の証しであるにせよ、ないにせよ、ひとさまに()がせて喜ばれる香りではない。自民党は「足のにおい」で下野した。政権という名の靴を長く履きすぎ、族議員などが振りまく既得権益の悪臭に有権者が鼻をつまんだ、と言える◆今年7月の参院選で改選第1党になったとはいえ、比例選の得票率を見れば約24%と、あれだけの失策を重ねた民主党の約32%を下回っている。自民党が再び政権の靴を履くことを、“既得権政治”に懲り懲りした有権者はまだ許してくれていない◆新しい党三役が決まった。幹事長以下、50代の若い論客で固めた布陣である。政府・与党に論戦を挑む「口」が大事なのは言うまでもないが、「足」の脱臭もお忘れなく。くさい足を自慢していいのは子供だけである。

2010年9月10日01時27分  読売新聞)
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