HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 10 Sep 2010 03:13:57 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:子育て支援 待ったなしで取り組め:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

子育て支援 待ったなしで取り組め

2010年9月10日

 民主党代表選では、財源確保策が争点だ。子ども手当の財源についても議論されている。「社会で子育て」をするために求められる対策は多岐にわたる。子ども手当以外の支援も忘れては困る。

 五千八百二十九円。

 五年前の三分の二に減った。

 首都圏の未就学児の保護者が、子供一人にかける習い事や絵本代などの教育費の月平均費用だ。ベネッセ次世代育成研究所が、子ども手当支給前の三月に調査した。

 「教育費の減少が極めて目立った」と結果を分析した白梅学園大学の無藤隆教授は指摘する。

 驚かされるのは月千円未満が五年前の11・7%から今年は23・3%に倍増していることだ。絵本やおもちゃも買えない。景気悪化が背景にある。

 無藤教授は「乳幼児の教育費は不要不急で真っ先に削られる」と指摘。一方「子ども手当はある程度教育費に回る」とみる。

 子ども手当は「社会で子育てを支える」ための重要な支援策だ。

 ただ、求められている支援は、経済支援だけではない。今月公表された認可保育所の待機児童数(四月一日現在)は二万六千二百七十五人。前年同期を八百九十一人上回り、過去二番目に多い。

 初公表された自治体独自の無認可保育施設の入所児童数を合わせると、認可保育所に入所できない児童は約四万人に上る。認可保育所整備が、需要に追いつかない。依然として保育所整備は課題だ。

 子供の貧困対策や、仕事と子育ての両立支援、雇用・収入が不安定な非正規が多く結婚が難しい若者の就労支援など、やるべき子育て支援は多い。これらに同時に取り組まないと、社会で子育てすることにはならない。

 政府はニーズに応える保育サービス提供などが柱の支援制度「子ども・子育て新システム」の基本案をまとめたが、裏付けとなる財源は説明していない。包括的に子育て支援を担う「子ども家庭省」設置の議論も進んでいない。

 経済協力開発機構(OECD)調査では、二〇〇七年の日本の国内総生産(GDP)に占める公的教育支出の割合は3・3%。比較可能な加盟国二十八カ国で最下位だった。子育て家庭は依然、高い教育費負担にあえいでいる。

 少子化が止まらない今、その対策は緊急課題だ。菅直人首相と小沢一郎前幹事長のどちらが代表・首相になっても、知恵と緊迫感を持って取り組んでほしい。

 

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