HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 36371 Content-Type: text/html ETag: "f897f-116e-4238100" Expires: Wed, 08 Sep 2010 21:21:47 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 08 Sep 2010 21:21:47 GMT Connection: close 9月8日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

9月8日付 よみうり寸評

 多数の抗生物質が効かない細菌「多剤耐性アシネトバクター」の感染例がまた新たに報じられた◆新たな例は、東京都内の民間病院。このところ相次ぐ例をみると、これまでは海外から転院の患者などで散発的に見つかる程度だったが、水面下で感染が拡大している可能性は高そうだ◆で、きょうも〈細菌の逆襲〉の続き。「今、日本では病原細菌学を専攻する後継者が極端に不足している。抗菌剤への過信とその無批判な乱用が、医師にも患者にも細菌感染症の恐ろしさをすっかり忘れさせてしまった」◆吉川昌之介さんがこう警告したのは15年も前のこと。「大学で伝染病の講義がおざなりになり、病原細菌学者が一人もいない医大や医学部が出現した」◆感染症制圧の結果とみれば、慶賀すべき一面もあるが、医学のおごりと油断が、細菌の逆襲を招いたとも言えるだろう。帝京大病院の発生は今年2月で、保健所への報告は今月2日だった◆おごりと油断は無防備と反応の鈍さにつながる。実態把握へ点検を強めよう。

2010年9月8日14時03分  読売新聞)
現在位置は
です