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9月9日付 編集手帳

 間接の原因を直接の原因であるかのように語る論法を〈春秋の筆法〉という。尖閣諸島近海の日本領海内で中国漁船の違法操業がやまないのは、春秋の筆法をもってすれば鳩山由紀夫前首相が災いしている◆首相として出席した今年5月の全国知事会で、日本固有の領土である尖閣諸島に触れ、「帰属問題は日本と中国の当事者同士でしっかり議論して、結論を見いだしてもらいたい」と語った。さて、どちらの国の領土になりますかね…そう聞こえよう◆翌日になって、岡田克也外相がこの発言を不適切だとして打ち消しはしたものの、〈綸言(りんげん)汗の(ごと)し〉という。自国の領土に関心が乏しく、執着も薄い首相の発言が、中国側には印象深く耳に残ったことだろう◆海上保安庁がきのう、違法操業をしていた中国漁船の船長を逮捕した。他家の庭先を荒らせば、そうなるのは当然である。鳩山失言によって中国側に発せられた誤ったメッセージは、法にもとづく刑事手続きを粛々と進めるなかで正さねばならない◆それにつけても、「政治とカネ」といい、混迷の普天間といい、要らざる“置き土産”の多い人である。

2010年9月9日01時15分  読売新聞)
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