
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37446 Content-Type: text/html ETag: "100a2b-15f5-4e24ee80" Expires: Wed, 08 Sep 2010 00:21:39 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 08 Sep 2010 00:21:39 GMT Connection: close
![]() 新型多剤耐性菌 情報共有の仕組みを構築せよ(9月8日付・読売社説)ほとんどの抗生物質が効かない「多剤耐性菌」が、相次いで日本に入り込んできた。 帝京大学病院で大規模な院内感染を引き起こしたのは、「アシネトバクター」という土中などにいる細菌が多剤耐性化したものだ。 その衝撃が収まらぬうちに、今度は独協医科大学病院から、「NDM1」という抗生物質分解酵素を持つ多剤耐性大腸菌の感染患者がいた、と報告された。 いずれも海外での感染拡大が警告されていたものの、国内にはまだ本格的には入り込んでいない、と見られていた。 インフルエンザのように NDM1を持つ大腸菌は、国内初の感染報告である。 独協医大によると、患者はインドから帰国した男性で、入院していた昨年5月に高熱が続いた。 その時点では原因が分からなかったが、今年8月に英国の医学専門誌でNDM1を持つ大腸菌の感染拡大が指摘されたため、保存してあった男性の大腸菌の遺伝子検査などを実施し、判明した。 男性はすでに回復、退院している。入院中も院内感染の予防策を徹底して行っており、他の人に感染させた可能性はないという。 ただ、医療関係者は帝京大病院の院内感染問題とはまた別の意味で、NDM1の上陸を強い緊張感を持って受け止めている。 大腸菌に近い細菌に毒性の強いサルモネラ菌や赤痢菌があり、それらにも、大腸菌からNDM1の遺伝子が取り込まれる可能性があるからだ。 また、多剤耐性アシネトバクターやNDM1を持つ大腸菌などがすでに国内でも広がっているのに把握されていないのではないか、との懸念もぬぐえない。 厚生労働省は感染症法にもとづき、5種類の薬剤耐性菌に関して感染情報を収集しているが、アシネトバクターもNDM1も対象に含まれてはいなかった。情報の収集先も、すべての医療機関を網羅してはいない。 厚労省は、今回の二つの耐性菌について緊急の全国調査を行う方針だ。同時に情報収集の仕組み自体を再構築する必要があろう。 すべての医療機関が、すべての耐性菌情報を、迅速に共有できるシステムが要る。政府は危機管理問題として取り組むべきだ。 (2010年9月8日00時46分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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