HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 07 Sep 2010 22:13:26 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:中東和平交渉 試される米国の真剣味:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

中東和平交渉 試される米国の真剣味

2010年9月7日

 中東和平の直接交渉が再開された。二国家共存には双方の譲歩しかないが、パレスチナ、イスラエル双方の隔たりは大きく難航は必至である。仲介役米国の指導力、真剣味が試される場でもある。

 直接交渉は一年八カ月ぶり。双方がワシントンでの話し合いのテーブルに着くことになったからには、一歩でも前進させたい。

 オバマ米大統領はまずイスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長のほか、エジプト、ヨルダン首脳とも個別会談。会見で「好機を逸してはならぬ」と建設的な対話を求めた。

 交渉は領土画定、エルサレムの帰属、パレスチナ難民の帰還権などを話し合う予定で、仲介役のクリントン国務長官は「一年以内の合意」を求めた。

 中東和平はイスラエル軍がパレスチナ地区から徐々に撤退する暫定自治が一九九五年スタート。イスラエルのバラク首相、アラファト自治政府議長時代に、パレスチナが将来の国家の首都と願う東エルサレムの分割案、ヨルダン川西岸の95%撤退−という和平案がまとまりかけたが頓挫。衝突とユダヤ人入植の強行、またパレスチナ人の分裂へと大きく後退した。

 オバマ大統領はイスラム・アラブ社会との信頼回復を願い、昨年六月、歴史的な「イスラムとの対話」を掲げ、アフガニスタン、イランを含む西アジアの紛争の根底に横たわるパレスチナ問題の解決を目指してきた。テロとの戦いを終わらせるには直接のテロ封じだけでなく、遠回りでも中東和平達成という歴史的転換が不可欠という認識がオバマ政権にはある。

 西岸地区での入植凍結の期限切れは迫っていた。米政権は中間選挙を控えていようが、自らの関与と意欲を示す必要があった。

 だが楽観できる状況にない。直前にイスラム過激派によるユダヤ人襲撃事件も起きた。ネタニヤフ首相は事件に言及し、将来のパレスチナ国家の非武装化を要求。アッバス議長は入植活動の再開を含む住宅の新規建設は容認できないとけん制、早くも入り口から紛糾の様相だ。

 争いは四八年のイスラエル建国、第一次中東戦争に始まった。既に半世紀を経る。これまでの部分的な合意はともにイスラエルとかかわりの深い米国が仲介、関与した。両交渉者に障害を乗り越えさせ、和平を促すには米国の強く、しかも公平な主導性がやはり欠かせないのである。

 

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