HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 08 Sep 2010 03:12:02 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:政治とカネ 『市民感覚』に答えよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

政治とカネ 『市民感覚』に答えよ

2010年9月8日

 「政治とカネ」が民主党代表選の大きな争点となっている。検察審査会の結論を待つ小沢一郎前幹事長の問題には推定無罪の原則で考えるべきだ。小沢氏も金権体質を問う声に真摯(しんし)に答えてほしい。

 仮に小沢氏が民主党代表選に勝ち、首相になったとする。さらに自らの資金管理団体の虚偽記入事件で、検察審査会が「強制起訴」の議決を出したらどうなるか。

 憲法七五条は「国務大臣はその在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」と規定している。だが、小沢氏は強制起訴された場合でも、自ら同意し、「堂々と受け、潔白を主張する」と、裁判闘争の決意を述べている。

 現職首相が刑事被告人として法廷に立つ風景は、憲政史上初めてで、異様というほかはない。外交においても、内政においても深刻な事態となるのは明らかだ。

 だが、その可能性がある一点をもって、代表選に立候補する資格がないと決めつける論調は、あまりに乱暴と言わざるを得ない。検察は既に小沢氏を不起訴とした。新しい検察審制度では、第一段階と第二段階があり、第一段階で起訴相当議決が出て、再捜査をしたが、検察はあらためて不起訴と判断している。第二段階の議決を控えているが、あくまで「推定無罪」の大原則が働いていることは十分に理解されねばならない。

 しかし、小沢氏が検察審の審査員が「素人」であり、「(検察審の)仕組みがいいのか議論は出てくる」とまで言及するのは、市民の判断をあまりに粗雑に考えてはいないか。素人たる“民意”を甘くみる態度が表れているとも受け止められる。とくに三人の元秘書は政治資金規正法違反事件で起訴されており、小沢氏が負う道義的、政治的な責任は明白だ。

 問題の土地取引事件では、原資について、「政治資金」から「銀行融資」へ、さらに「個人資金」と説明が二転三転したことが不信感を招いている。元秘書の公判で、小沢氏の事務所とゼネコンとのつながりが、検察側の冒頭陳述で明らかにされてもいる。

 代表選の今こそ、金権体質を問題視する「市民感覚」に答える機会といえる。強制起訴されても、「離党も議員辞職もしない」と語ったが、国会の場で責任を問う決議案が可決される事態も予想される。国会審議が動かなくなる恐れもある。それらのことを小沢氏自身がどう考えているのかも率直に語るべきではないか。

 

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