
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37599 Content-Type: text/html ETag: "10091c-15ac-427c1040" Expires: Sat, 04 Sep 2010 01:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 04 Sep 2010 01:21:40 GMT Connection: close
![]() 院内感染 速やかに情報開示し再発防げ(9月4日付・読売社説)高度医療をになう大学病院で、なぜこれほど大規模な院内感染が起きてしまったのか。 帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)は3日、がんなど重病で入院していた患者46人が、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性の「アシネトバクター」と呼ばれる細菌に感染していた、と発表した。 感染者のうち27人が亡くなっており、この中の9人は感染が死因につながった可能性を否定できない、という。 犠牲者9人とすれば、2000年に大阪で、02年に東京で、いずれもセラチア菌の院内感染で犠牲者が出たケースを上回り、近年では例のない被害である。 帝京大は、今年4〜5月に感染者が増加したため、調査委員会を設置して調べていたという。保健所へ届け出たのは、今月2日だった。あまりにも遅すぎる。 アシネトバクター自体はどこにでもいる細菌で、健康な人が感染しても影響はない。だが、重症患者など抵抗力が衰えている人が感染すると、肺炎や敗血症などを起こすことがある。 福岡市の福岡大病院でも23人が感染したことが、昨年1月に判明している。多剤耐性アシネトバクターによる大規模感染はこれが国内初の事例で、厚生労働省は注意を呼びかけていた。 高度医療機関には抵抗力の弱い重症患者が集まるため、ひとたび院内感染が起きれば、取り返しのつかないことになる。 今回の帝京大病院の場合は、どのような経路で感染が広がったのか。公表が遅れたのはなぜか。 大学病院などには院内感染担当者の配置が義務づけられているはずだが、そこに油断や落ち度はなかったのか。 帝京大は調査委による独自の調査結果をもとに、こうした疑問に答えなければならない。厚労省と東京都も、徹底した調査で事実関係を究明すべきだ。 院内感染は、どんなに警戒しても完全には防ぎきれないことも事実である。治療で抗生物質が多用されていることで、新たな耐性菌を生み出してもいる。 多剤耐性アシネトバクターは、まだ国内の感染報告は少ない。しかし、別の多剤耐性菌による院内感染は多数発生している。 拡大を防ぐには、早期発見と迅速な対応が欠かせない。そのためには、全国規模の監視体制を強化するとともに、医療機関は感染の事実はすばやく開示し、発生情報を共有しなければならない。 (2010年9月4日01時16分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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