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代表選討論会 両候補の安保感覚を危惧する(9月3日付・読売社説)

 民主党代表選に出馬した菅首相と小沢一郎前幹事長による公開討論会が日本記者クラブの主催で行われた。

 小沢氏は米軍普天間飛行場の移設問題で、5月の日米合意を「尊重」する考えを示したが、「沖縄がどうしても反対なら進まない」と、新たな移設先を模索する可能性も否定しなかった。

 この姿勢は疑問だ。こうした発言をすること自体が、日米合意に反対する勢力を勢いづかせるし、米側の不信も招き、鳩山前内閣の迷走を再現させかねない。

 菅首相も、歯切れが悪かった。「普天間以外で沖縄の負担軽減を進める中で、いろいろな理解を得られないか」などと語るばかりで、肝心の普天間移設をやり抜く決意は示されなかった。

 こうした中途半端な姿勢では、米国とも、沖縄とも、関係改善を図るのは難しかろう。

 小沢氏は、昨年2月の「米国の極東でのプレゼンス(存在)は米海軍第7艦隊で十分」とした自らの発言について、今もほぼ同じ考えであることを明らかにした。

 軍事技術の発達などにより、米軍は前線に大規模な兵力をとどめておく必要がなくなったとし、具体例として在沖縄海兵隊8000人のグアム移転に言及した。

 一方で、自衛隊の体制を充実させ、日本防衛などでより大きな役割を果たすことで、米軍の役割を軽減する重要性も指摘した。

 自衛隊の任務拡大は大切な視点だが、在日米軍の陸空軍と海兵隊の役割を否定するような議論は、乱暴であり、日米同盟の根幹を揺るがしかねない。小沢氏の安全保障感覚に危惧(きぐ)を覚える。

 小沢氏は、自らの資金管理団体の土地購入事件に関連して検察審査会に2度目の起訴の議決が出た場合の対応を質問され、「逃げません」と明言した。

 代表選で当選し、首相に選出された場合、憲法の規定を使って訴追に不同意とし、強制起訴を免れることはしない趣旨だろう。

 それ自体は潔い姿勢とも言えるが、そもそも小沢氏が事件にどう関与したのかについての疑問は払拭(ふっしょく)されていない。

 小沢氏は、事件に関連して元秘書3人が逮捕されたのに、国会の場での説明に応じていない。

 この日も、説明責任を果たしていないとの批判について「国民の声は謙虚に受け止める」と繰り返すにとどまった。これでは国民の理解は得られまい。代表選中に、事件の真相を詳細に語る機会を積極的に設けるべきだ。

2010年9月3日01時39分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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