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9月2日付 よみうり寸評

 大相撲が年6場所制になったのは、昭和33年(1958年)からだ。初代若乃花は、その年の初場所に優勝して横綱に昇進した◆それから東西の横綱、栃錦と若乃花は、35年夏場所の栃錦引退までほとんど毎場所、二人で交互に優勝を続けた。ともに優勝10回。〈栃若時代〉はテレビ時代にも乗って戦後の大相撲復興を果たし、黄金時代を招いた◆〈呼び戻し〉――別名仏壇返しの決まり手は、若乃花ならではの大技。小兵でも北海道・室蘭の港湾作業で鍛えた強い足腰で〈異能力士〉と呼ばれた◆大関時代の31年秋場所、4歳の長男勝雄ちゃんをチャンコ鍋の大やけどで場所前に亡くし大きな数珠を首にさげて場所入りした◆12日目まで全勝。だが13日目から高熱で休場の悲運。〈土俵の鬼〉の異名はこれで決まった。千秋楽に全勝同士の横綱対決など数々の栃若の名勝負が目に浮かぶ◆名伯楽・二子山親方でもあった初代若乃花、花田勝治さん逝く。82歳。栃若時代の昭和30年代前半に限りない郷愁を込め、鬼の死を悼む。

2010年9月2日13時59分  読売新聞)
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