HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 01 Sep 2010 22:13:59 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:金総書記訪中 さらに強まる中国頼み:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

金総書記訪中 さらに強まる中国頼み

2010年9月1日

 北朝鮮の金正日総書記が中国を訪問した。金総書記は健康不安を抱え、国内では後継体制の確立を急いでいる。中朝両首脳は連携強化を確認したが、重要案件では思惑の違いもかいま見える。

 北朝鮮は九月上旬に、労働党の指導部人事を決める党代表者会を開催する。金総書記の三男ジョンウン氏が党の要職に就き、後継者を支える体制が公式化されるとの観測が広がっている。

 だが、北朝鮮では昨年末に断行したデノミネーションが失敗して経済不安は深刻のようだ。韓国の哨戒艦が沈没した事件では、米国と韓国は北朝鮮の犯行と断定し、経済制裁を強め海上での合同軍事演習を続けて圧力をかけている。

 内外ともに危機が高まり、頼みの綱は中国だった。金総書記と胡錦濤主席との首脳会談では、経済協力を強め、外交、内政面でも緊密な意思疎通を図ることが確認された。北朝鮮の中国依存はいっそう強まっている。

 だが、重要案件では双方の発表内容が微妙に異なっている。

 北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議については、中国新華社の報道だと金総書記は早期開催を希望した。だが、朝鮮中央通信にはこの発言は見当たらない。

 後継体制への発表も異なる。北朝鮮側の報道だと、胡主席は首脳会談で「中朝親善を代を継いで伝えていくことは双方の歴史的責任だ」と述べたという。金総書記が今回、ジョンウン氏を後継者にすると通知し、中国が認めたとも解釈できる内容だ。

 しかし、新華社によると、胡主席は「北朝鮮の党代表者会の成功を祈る」としか発言していない。後継者問題に関与したと誤解されたくないという判断なのか。

 中国は六カ国協議の議長国として北朝鮮に協議復帰を説得しながら、哨戒艦事件では北朝鮮の立場を擁護するというジレンマを抱えている。だが北朝鮮の「後ろ盾」であるのなら、核開発を中止させ、改革を促すという役割がいっそう重要になる。

 テコとなるのは経済協力だ。胡主席も「経済発展には自力更生に頼らなければならない上、対外協力を離れることもできない」と述べ、北朝鮮に経済開放を強く促した。

 中朝首脳会談の後、オバマ米政権は哨戒艦事件を理由に、北朝鮮に追加の金融制裁を科すと発表した。中国には日米韓との連携を絶やさずに、北朝鮮の軟化を引き出す努力が求められる。

 

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