HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 31 Aug 2010 21:14:05 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:あす防災の日 3地震連動への備えは:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

あす防災の日 3地震連動への備えは

2010年8月31日

 九月一日の「防災の日」に初めて、東海、東南海・南海の三つの地震の同時発生を想定し、国の総合防災訓練が行われる。三地震の同時発生はあるのか。対する備えは大丈夫なのか。

 東海、東南海・南海地震は、いずれも一連の太平洋側のプレート境界を震源とする。巨大地震三つの同時発生はあるのか。

 一九四四年十二月東南海地震、四六年末に南海地震が起きた。この時、駿河湾付近は残った空白域で東海地震発生の可能性があった。歴史上東海と他の二つの同時または連続発生の記録が多く、三つの同時発生は絵空事ではない。

 東海地震を含め、三地震とも実際は不意打ちの公算が大きい。中央防災会議は、死者二十一府県約二万五千人、全壊二十七都府県約五十五万棟と想定する。

 前回の東南海・南海地震当時に比べ、対策の進歩は著しい。阪神大震災犠牲者の83%が建物倒壊によるのを教訓に、住宅の耐震化率は79%に達した。それでも約千五十万戸は耐震性がない。改善を急がねばならない。

 同時発生で、関東から九州まで太平洋側の広い地域が被災する。単独の地震による限られた地域の被災と違い、救援のスタッフ、資材を融通できず、絶対量の不足も

予想される。

 国は二〇〇一年から首都圏、京阪神、名古屋の三大都市圏で、災害時の情報収集、物資の集配、救援活動の指揮などの中心となる広域的防災拠点を計画している。東京都立川市、東京湾臨海部、堺泉北港などは整備が進むが、名古屋圏などでは具体化が遅れている。スピードアップを望みたい。

 四四年の東南海地震は太平洋戦争中で、被害の実態は極力隠された。今では情報は公開され、救援に多数のボランティアが参加、受け入れ態勢も充実してきたが、新たな問題も生まれている。

 三つの地震では千葉県から九州東部まで津波の襲来が心配だ。津波を防ぐ第一歩の防潮水門は、全国の海岸・河口に無数にある。これを閉め切るのに、自治体職員らのみではとても無理と危惧(きぐ)する専門家が多い。

 協力を求めるべき消防団員は、七〇年の百二十一万人余が〇九年には八十八万人余に減った。地震後の消火にも活躍する団員の充足は急務である。高齢者の避難・誘導に役割が期待される地域の自主防災組織と合わせ、女性の積極的参加など工夫を凝らしたい。

 

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