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天声人語

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2010年8月31日(火)付

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 〈八月五日(日)晴れ〉。少女の日記は〈明日からは、家屋疎開の整理だ。一生懸命がんばろうと思う〉と結ばれている。13歳。原爆で亡くなる前日だった。平和と安穏を求める8月の言葉から▼広島の平和記念式に米国大使が初参列した。東京都に住む被爆者、野村秀治さん(78)は「行動」に期待する。「見たいのは、『核のある世界』の幕を開けた米国が核廃絶の先頭に立って行動する姿です。その時、私は初めてあの国を許せる」▼長崎の式では、地元高校の山下花奈さん(17)が司会を務めた。曽祖母(93)に惨状を聞いて育った被爆4世。「私は、被爆者の声を聞ける最後の世代かもしれない。原爆の恐ろしさを5世、6世にも伝えていきたい」▼イラク戦争で殺された市民を数え続けるNGOの設立者、ハミット・ダーダガンさん(49)。「理不尽に殺された人たちをカウントするのは、その死を記憶にとどめ、弔うことでもある」。テロを含め10万人、なお増加中▼その戦争に反対する国連演説で注目されたドミニク・ドビルパン元仏外相(56)は「米国人が大好きだから、直言する義務があると感じた」と振り返る。「私の声ではあったが、同時に、世界中で戦争反対のデモを繰り広げた人々の声だと意識していた」▼「ここにいれば生活の心配はないが、暮らしを向上させたい。子どもにも夢と目標を持たせたい。生き直すため、日本へ行く」。ミャンマーで迫害を受け、タイの難民キャンプで暮らす少数民族の男性(24)だ。まず5家族が、戦争を65年していない国に渡る。

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