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8月28日付 よみうり寸評

 今年1月に73歳で亡くなった地震学者の溝上恵(みぞうえめぐみ)さんは体に病を抱えながら、東海地震の予知を目指す「地震防災対策強化地域判定会」の会長を12年間務めた◆20年以上前、静岡県伊東市で溝上さんの講演を取材したことがある。伊豆半島沖の群発地震の仕組みを解説し、海底地震計を整備したいと抱負を語った。現場に足を運び、観測データを重視する人だった◆地震計を発明したのは、今から約1900年も昔の中国の科学者と伝えられる。震源の方向などを知ることができたという◆「2037年にはマグニチュード6以上の地震を予知する技術が普及する」。これは文部科学省の科学技術政策研究所がまとめた未来予測の一つ◆しかし現在、予知できる可能性があるのは、想定震源域の地殻変動を常時監視している東海地震だけだ◆溝上さんの後を継いだ阿部勝征(かつゆき)判定会会長は自著に記している。「地震学は、学者だけのものであってはなりません」。防災の日を前に、地震への関心を深め、我が家の備えを点検したい。

2010年8月28日14時04分  読売新聞)
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