HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 25 Aug 2010 21:11:50 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:ゲーム依存 外遊びの力を見直そう:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

ゲーム依存 外遊びの力を見直そう

2010年8月25日

 子ども時代に自然に触れたり、友だちとよく遊んだりした大人ほど学歴が高く、収入が多い。国立青少年教育振興機構の調査研究でそんな傾向が浮かんだ。「外遊びの力」を見直す契機としたい。

 電車で路上で室内で電子ゲームに興じる子どもが増えている。今やゲーム機器は、子どもにとって生活必需品のような存在だ。

 日本PTA全国協議会の小学五年生と中学二年生の調査だと、いずれも約五割が平日でも三十分以上ゲームで遊び、休日には三時間以上を費やす子どもが一割を超えた。

 子どもは多忙だ。放課後は部活動や宿題、けいこ事や学習塾などに追われ、細切れの生活を余儀なくされる。その短い合間を効率良く埋めてくれるのがゲームだ。

 戦闘やスポーツ、パズル、恋愛などを楽しみながらストレスを発散でき、好成績を挙げれば評価してくれる。対人関係に煩わされることもない。ゲームの効用をそう指摘する向きもある。

 子どものゲーム依存の悪影響が心配される中、二十〜六十代の男女五千人の子ども時代を調べた国立青少年教育振興機構の「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」の中間報告は興味深い。

 海や川で貝採りや魚釣り、水泳などをして自然を満喫する。隠れん坊や缶けり、時にはけんかしながら友だちと遊び回る。子どものころのそんな外遊びの体験が豊富な人ほど、物事への関心や意欲が強いことが分かった。

 本をよく読み、最終学歴が高く、収入が多い。そんな大人に成長していたというわけだ。活発な外遊びが子どもの知的好奇心や探求心を刺激し、やる気の原動力になる傾向がはっきり見て取れた。

 日本学術会議も外遊びの重要性を強調し、子どものコミュニケーション能力や考える力を養うには「群れて遊ぶ空間」が必要だとの提言をまとめている。

 都会では自然や原っぱ、空き地は少ない。例えば、地域住民が運営する「冒険遊び場」に目を向けてはどうか。

 三十年余り前に東京都世田谷区に登場し、今では全国で約二百五十団体が冒険遊び場を設営している。

 禁止事項はなく、たき火や穴掘り、木登りもできる。大人は見守り役に徹して口出しはしない。子どもは自由に遊びを考案し、自己責任で遊ぶ。それが鉄則だ。

 遊びの視点から子どもの教育をとらえる研究をもっと深めていくことも大切だ。

 

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