HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 21 Aug 2010 22:14:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:羽田の国際化 ハブ化への道は遠い:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

羽田の国際化 ハブ化への道は遠い

2010年8月21日

 羽田空港の国際化を推進する新滑走路と旅客ターミナルビル、貨物建屋、エプロン(駐機場)が完成した。十月二十一日の開業まであと二カ月。ハブ化実現には容量拡大など課題解決が急務である。

 地上五階建ての新旅客ターミナルビルは東京ドームやナゴヤドームより一回り大きい。三階の出発ロビーに直結するモノレール駅と地下の鉄道駅。チェックインカウンターから出国審査まで、利用客の歩く距離は可能な限り短縮されている。

 搭乗橋の床の段差をなくすなどバリアフリーを徹底した。ロビーやトイレなども清潔だ。江戸情緒たっぷりのレストラン街からプラネタリウムやアニメなど日本の過去と現在を紹介している。

 しかし、ターミナル内を歩いてみると狭さは隠しようもない。正面の駐機スポットは十カ所にとどまる。今月中旬に視察した前原誠司国土交通相が「さらに広げられるよう対応してほしい」と施設拡張を指示したのも当然だ。

 四本目の滑走路(二千五百メートル)の供用開始で、羽田の国際線の年間発着能力は大幅に増える。

 当面は昼間三万回と成田空港が閉鎖されている午後十一時から翌朝午前六時までを含む深夜・早朝帯三万回の計六万回だが、二〇一三年度に九万回まで拡大させる計画だ。その場合、年間利用客は最大七百万人を超え現行施設と運営態勢では対処が困難になる。

 もっと重要なのは、深夜早朝に到着する利用客への対応だ。モノレールも鉄道もない時間帯をどこで過ごすのか。到着ロビーは狭く仮眠室やシャワールームも少ない。空港内の第一・第二ターミナルビルの一部を開けるとか、ホテルの確保が急務である。

 羽田の国際化は当初、東南アジアを中心とする近距離国際線を想定したものだった。それが欧米路線を含めたハブ空港化を目指すとなった以上、早急に空港容量の拡大策が必要だ。観光立国の実現にも不可欠である。

 また成田空港は今春から年間発着回数が二十二万回に増えた。今後の需要増を前提に、地域との話し合いを進めて早期に三十万回程度まで増加させるべきだ。

 韓国・仁川空港、シンガポール・チャンギ空港はともに世界百数十都市を結ぶアジアを代表するハブ空港である。これに対して羽田・成田両空港は合計でも百十都市程度。ハブ化は一気に進まないが、立地条件の良さを生かせば羽田は飛躍する可能性がある。

 

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