HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 10 Aug 2010 20:14:25 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:長野県知事選 政権不信示す薄氷勝利:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

長野県知事選 政権不信示す薄氷勝利

2010年8月10日

 長野県知事選で、民主党など三党推薦の候補が勝利した。参院選で惨敗した菅民主党政権にとっては朗報だが、党が地盤とする地域での薄氷の勝利は、政権不信が続いていることを示している。

 七月の参院選後初めての県知事選だった。菅政権は、勝利して参院選惨敗の痛手から回復する手掛かりを得たかったことだろう。

 民主党が国民新、社民両党とともに推薦したのは、田中康夫前県政当時の副知事で、民主党政権の行政刷新会議で事務局次長を務めた阿部守一氏(49)だった。

 地元選出の北沢俊美防衛相らに加え、阿部氏の「上司」に当たる行政刷新担当相だった枝野幸男幹事長や、後任の蓮舫担当相ら閣僚が「信州型事業仕分け」を掲げる阿部氏の応援に駆けつけた。

 長野県は民主党が強い地域だ。

 昨年の衆院選で、民主党は県内五小選挙区で議席を独占。参院選では一議席獲得にとどまったが、擁立した二候補を合わせた得票は五十万票を超え、自民党候補に二十万票以上の差をつけた。

 手厚い応援態勢、厚い地盤。にもかかわらず、阿部氏は薄氷の勝利に終わった。参院選後約一カ月を経ても、菅政権への不信感が収まっていないことを示している。

 菅直人首相は県知事選勝利を弾みに、九月の党代表選での再選を果たしたいところだろうが、薄氷の勝利に終わったことで、政権浮揚効果は限定的だろう。

 民主党内の一部には、知事選期間中に行われた衆参両院での予算委員会が、首相の反転攻勢の機会になる、との期待感があった。

 しかし、首相の答弁は代表選での再選を意識して歯切れが悪く、精彩を欠いた。「ねじれ国会」を打開する手掛かりもつかめず、党内では代表選で対立候補擁立を模索する動きも加速している。

 首相は県知事選勝利に安堵(あんど)することなく、厳しい政権運営が続くことを覚悟して臨んだ方がよい。

 一方、自民党にとっても、厳しい結果となった。自民党が推したのは村井仁県政で副知事を務めた腰原愛正氏(63)。小池百合子、小泉進次郎両衆院議員ら著名な議員を応援に投入したが、参院選で改選第一党になった勢いを生かし切れなかった。

 腰原氏が「県民党」を掲げたため正式推薦には至らず、他陣営から「政党隠し」批判も浴びた。

 自民党の復調傾向が続くのか、今しばらく見守る必要がある。政権奪還へは依然険しい道が続く。

 

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