
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37385 Content-Type: text/html ETag: "10098f-1586-5419cc00" Expires: Mon, 09 Aug 2010 21:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 09 Aug 2010 21:21:37 GMT Connection: close
![]() 改正移植法適用 生かされた臓器提供の意思(8月10日付・読売社説)臓器提供の意思を書面では示していなかった人が、家族の承諾によって脳死と判定され、心臓や肺が他の人に移植されることになった。 移植医療の拡大をめざした改正臓器移植法に基づく、初の移植手術である。 提供者は交通事故に遭った20代の男性だ。意思表示カードは持っていなかったが、かねて家族に、脳死になった時には臓器提供したい、と話していたという。 家族はその意思を尊重した。しかし極めて重く、つらい決断だっただろう。 この男性は多くの人を救う。心臓は大阪で20代の男性に、肺は岡山でやはり20代の男性に、肝臓は東京で60代の女性に、腎臓は群馬で10代の男の子に。尊い命のリレーである。 先月17日に改正法が施行される以前は、本人が意思表示カードなど、書面で提供の意思を示していなければ、臓器移植は認められなかった。 欧米などでは、本人が提供拒否の意思を示していない限り、家族の判断で臓器の提供ができる。このため、米国では年に数千例、欧州の主要国でも年間数百例の脳死移植が実施されている。 改正法は欧米と同様、家族の判断で臓器提供を可能にした。 1997年に臓器移植法が施行されてからの13年間で86例にとどまっていた脳死移植は、今後、毎年30例以上に増えると予測されている。いずれは、今回の改正で認められた乳幼児間の臓器移植も行われるだろう。 臓器提供を着実に生かすには、今回のケースをきっちり検証することが重要だ。 治療は完全に尽くされたか。脳死判定は厳密に行われたか。家族は十分に納得して提供に同意したか。あらゆる点を厳しく確認することは、脳死移植の信頼を培うために欠かせない。 今回は、本人が口頭で家族に提供意思を示していた。しかし、実際にはそうしたケースばかりではないだろう。 その場合は、脳死判定の実施と臓器提供の判断を求められる家族の側に相当な負担がかかる。 本人の意思がはっきりしていれば、それが第一だ。この点は改正法でも変わりはない。 新たな運転免許証や健康保険証には、臓器提供意思の記入欄が設けられている。万が一、脳死に陥った時に、臓器提供を承諾するのか、拒否するのか。皆が真剣に考えておきたい。 (2010年8月10日01時15分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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