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8月9日付 よみうり寸評

 6日の広島、きょうの長崎原爆忌を迎え、平山郁夫さんの作品を思い出した。昨年12月に平山さんが亡くなってから、初めての原爆忌である◆広島の勤労動員先で原爆に遭った。多くの級友を失い、「生かされている私には、それだけの使命がある」。平山さんの画業の根底にあったのは、むごい被爆体験だった◆叙情豊かなシルクロードの風景。(あい)色の夜空を見つめると、強い願いが伝わってくる。平山さんは、作品を通し、平和の尊さを訴え続けた〈語り部〉であった◆被爆者の高齢化が進む。通学途中の被爆体験を伝えてきた長崎市の吉田勝二さんは4月に78歳で亡くなった。その生涯を描いた紙芝居を同市の高校生が5月、米ニューヨークの学校で披露した◆語り部の遺志を継いだ紙芝居。「平和の原点は、人の痛みが分かる心を持つこと」という吉田さんの言葉を代弁した◆3年前の本紙の連載「自作を語る」に、平山さんの思いが載っている。「平和への祈りや願いは、次世代に継承されながら生き続けている」

2010年8月9日13時58分  読売新聞)
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