HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 36207 Content-Type: text/html ETag: "f22bc-11cf-82fdc300" Expires: Sun, 08 Aug 2010 22:21:47 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 08 Aug 2010 22:21:47 GMT Connection: close 8月8日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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8月8日付 編集手帳

 作家の山口瞳さんで思い出すのは、毎年4月1日付の新聞広告に書き続けた新入社員向けのお祝いの文章だ。日本がバブル経済に向かう1987年版のタイトルは「大いなる羨望(せんぼう)と大いなる期待。」◆<新入社員諸君! 怖れることは何もない。地道な努力を積み重ねていれば、誰かが必ず認めてくれる。積み重ねによって大きな家が建つ。きみは、きっと大成するよ>。就職戦線は「超売り手市場」、企業から複数の内定をもらう学生も多かった◆今春の大学卒業者で、就職も進学もしていない「進路未定者」が、5人に1人に当たる約10万6000人いたという。留年生も同数の10万6000人。多くは就職先が見つからない、見つからないから大学に残る、という学生のようである◆「超氷河期」を抜け出し、就職率も上がってきたところにリーマン・ショック。今春の卒業生は企業の採用減の影響をもろに受けた。「息子が内定取り消しに…」「(めい)は20社を受けて全滅」。そんな話をいくつも聞いた◆ご存命なら、経済人、大学人、政治家に向けて言ってほしかった。「諸君! 何とかならないのか」

2010年8月8日01時45分  読売新聞)
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