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8月6日付 よみうり寸評

 1945年8月、原爆投下直後の広島から長崎に向かう列車に乗った人たちがいた。そして、2度目の閃光(せんこう)を浴びる◆先月出版された「キノコ雲に追われて 二重被爆者9人の証言」(あすなろ書房)に、過酷な体験が収められている。57年に米国で刊行された本の邦訳で、著者はニューヨーク・タイムズの記者。二重被爆者への取材は55年からだった◆同じ年、広島平和記念資料館が開館し、長崎の平和祈念像が完成した。原爆乙女が治療のために米国の地を踏んだのもこの年だ◆しかし、東西冷戦の時代。米国、ソ連、英国、フランスは競うように核実験を重ねた◆きょう広島の平和記念式典に初めて米英仏の代表が参列。ロシア代表の姿も◆米国人記者に証言した9人の中に、後に語り部として核兵器廃絶を訴え、今年1月に93歳で亡くなった山口(つとむ)さんがいる。「ひとりひとりの心のなかに戦争に反対する(とりで)をきずかなくてはいけないのだと信じています」。半世紀を経て、その思いが世界に刻まれることを願う。

2010年8月6日14時19分  読売新聞)
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