HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 07 Aug 2010 00:12:44 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:ミャンマー外交 民主化は棚上げなのか:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

ミャンマー外交 民主化は棚上げなのか

2010年8月7日

 国際社会の批判を浴びるミャンマー軍事政権が、中国に続き、内政には口出ししないインドや北朝鮮との協力関係を強めている。民主化を棚上げにしたままでは、いびつな発展にしかならない。

 民主化の象徴アウン・サン・スー・チーさんを自宅に長期軟禁し続け、欧米諸国が制裁中の軍政にとって最新の外交成果は、隣国インドからの経済支援に違いない。

 軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長は七月下旬、六年ぶりにインドを訪問。両国を結ぶ道路建設への無償援助や沿海ガス田開発への投資拡大を取り付けた。

 軍政に批判的だったインドが支援に転じた背景には、ミャンマーへの影響力を年ごとに増す中国への警戒感がある。

 中国は企業進出や経済援助を増やしている。ミャンマーを南北に貫き天然ガスを中国内へ運ぶ長大なパイプライン建設も始まった。しかし、利益の多くは独裁的な軍政幹部などの懐に流れてしまう疑念はぬぐえない。

 北朝鮮との関係強化は、国際社会の大きな懸念材料だ。一九八三年、ヤンゴンを訪問中の韓国閣僚らが犠牲になった爆弾テロで断交したが二〇〇七年に国交を回復。先月下旬からの朴宜春外相のミャンマー訪問は同国外相として二十七年ぶりとなった。

 ミャンマーは米を送り、北朝鮮から武器を輸入しているといわれる。さらに核兵器の開発を目指し、北朝鮮の支援を受けているとの亡命者などからの情報もある。

 軍政は総選挙を年内に行い、政権を渡すと約束している。しかし、軍政は多くの法律をつくって、軟禁中のスー・チーさんの参加の道を閉ざし、彼女の率いる最大野党も解党に追い込んだ。すべての国民による民主選挙にはほど遠く、組織で大きく勝る軍寄りの政党が優位とみられる。

 欧米諸国はスー・チーさん抜きでは「自由で公正な選挙とは言えない」と警告する。軍政は聞く耳を持たぬようだが、それでも聞いてほしいのは、先月、岡田克也外相がミャンマーのニャン・ウィン外相にスー・チーさん解放を求めた時の「ミャンマーの将来のために」という言葉だ。

 欧米諸国や日本を避け、民主化に口を閉ざす国々から経済支援を得ても、国際的信用力は偏るだろうし、国の長期的な発展は望めない。人々が求める民主的な政権であってこそ、内外から支えられるのではないか。

 

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