HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37628 Content-Type: text/html ETag: "39693d-15b6-c57d5e80" Expires: Fri, 06 Aug 2010 00:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 06 Aug 2010 00:21:41 GMT Connection: close インフラ輸出 オールジャパンで巻き返せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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インフラ輸出 オールジャパンで巻き返せ(8月6日付・読売社説)

 経済成長を続ける新興国のインフラ(社会基盤)整備事業を日本企業がいかに受注していくか。官民挙げて取り組みを強化する必要があろう。

 原子力発電所や高速鉄道など、世界のインフラ需要は2030年までに41兆ドル(約3600兆円)に達すると推定されている。

 国内の需要不足に悩む日本企業にとってきわめて魅力的な市場だが、受注につなげるには激しい国際競争を勝ち抜く必要がある。

 そこで期待されるのが、政府の積極的な関与だ。もちろん受注を左右するのは企業の技術力だが、新興国は政府間交渉を重視する傾向が強く、企業の自助努力には限界があるのも事実だ。

 日本は昨年末、ベトナムの原発の第1期計画でロシアに、アラブ首長国連邦(UAE)の原発計画で韓国に競り負けた。それぞれの大統領のトップセールスが強力に後押ししたとみられる。

 この反省に立って、日本も閣僚レベルではあるが、トップセールスに力を入れ出したことは、大いに歓迎できよう。

 原発の第2期計画と高速鉄道計画を進めるベトナムには、5月に前原国土交通相と仙谷国家戦略相(当時)が相次ぎ訪れた。先月下旬も岡田外相が訪問して、ベトナム側に日本企業の受注について協力を要請した。

 原発の建設計画はインド、タイ、インドネシアなどにもある。ブラジルは年内にも高速鉄道建設の発注先を決める予定だ。政府は政治主導による取り組みを継続してもらいたい。

 政府が6月に決定した新成長戦略は、インフラ輸出の振興策として、現在は凍結されている国際協力機構(JICA)による海外投融資の再開を盛り込んだ。

 リスクはあるが、経済効果の大きいプロジェクトの受注に役立つだろう。着実に実施すべきだ。

 民間企業同士の「民民連携」の強化も欠かせない。

 UAEで韓国企業連合が受注に成功したのは、原子炉の建設からその後の運用まで、丸ごと請け負うことをアピールしたことが決め手となったとされる。

 日本も韓国を倣って、同様の体制を整えつつある。経済産業省が音頭をとり、原子炉メーカー3社と、原発の運転ノウハウを持つ電力会社3社が出資する新会社が、今秋設立される予定だ。

 海外インフラをめぐる受注獲得競争に「オールジャパン」で取り組み、これまでの出遅れを取り戻さねばなるまい。

2010年8月6日01時08分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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