
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37567 Content-Type: text/html ETag: "ad676-15c0-e1be9c80" Expires: Tue, 03 Aug 2010 02:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 03 Aug 2010 02:21:41 GMT Connection: close
![]() 児童虐待多発 立ち入り調査権を機能させよ(8月3日付・読売社説)3歳と1歳の幼い姉弟が、水も食べ物もない部屋で寄り添うように死んでいた。 見つかったのは大阪市内のマンションである。猛暑の中、1か月以上、2人を置き去りにした23歳の母親は、警察に対して「ホストクラブで遊ぶのが楽しく育児が面倒になった」と話しているという。 目を覆いたくなるような、子どもの虐待事件が相次いでいる。 福岡県久留米市で5歳の女の子が、母親に手足を縛られて洗濯機に入れられるなどの虐待を受け続け、命を奪われた。 横浜市では、母親らによって1歳2か月の女児が木箱に閉じこめられ、窒息死した。 大阪府寝屋川市では、14歳の長男の背中にライター用のオイルをかけ、火を付けたとして父親が逮捕されている。 厚生労働省によると、2009年度の1年間に全国の児童相談所が対応した児童虐待事案は過去最多、4万4210件に上る。10年前の約4倍だ。 件数の増加自体は、社会の関心が高まって通報が増え、水面下の虐待があぶり出された面もあるだろう。だが、最近の事件の陰惨さを見ると、児童虐待は深刻化している印象をぬぐえない。 08年4月に改正児童虐待防止法が施行され、児童相談所の家庭への立ち入り権限が強化された。 しかし、これまで強制立ち入りに踏み切った事例は全国で3件にとどまる。多ければ良いというわけではないが、行政側がまだ及び腰なのではないか。 大阪市のマンションに置き去りにされた姉弟のケースも、泣き声を聞いた近隣住民から何度も通報を受けたのに、児童相談所は強い姿勢で調査に臨まなかった。 居住者の特定など難しい点はあったにせよ、もう少し調査すれば助けられた可能性がある。 強制立ち入りは裁判所の許可を得るまでの要件が厳しく、人手不足の中で、現実には行使しづらいとの指摘もある。ならば、もっと要件を緩和し、児童相談所の人員も拡充して、立ち入り調査権が機能するようにすべきだろう。 何を怠り、何が足りず、制度のどこが不備で幼い命を救えなかったのか。検証が必要だ。 厚労省は児童虐待通報の全国共通電話(0570・064・000)を設置し、小さな事でも知らせるよう呼びかけている。だが、通報が確実に生かされなければ意味がない。態勢強化を図るための予算を惜しむべきではない。 (2010年8月3日01時41分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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