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予算委質疑 首相は消費税から逃げるな(8月3日付・読売社説)

 菅政権の発足後、初の本格的な国会論戦の場である衆院予算委員会が始まった。

 自民党の谷垣総裁は、消費税問題を中心に、菅首相の見解をただした。

 首相は「財政再建から引くつもりはない」と強調しながら、消費税については、当面、民主党政策調査会の議論に委ねる考えを繰り返した。党内で結論を出す時期も明言を避けた。

 参院選の公約発表時には、首相は、自民党が掲げた税率10%への引き上げを参考にすることや、今年度中に税制の抜本改革案を取りまとめることなどを具体的に語っていた。首相の発言が大きく後退しているのは明らかだ。

 財政の健全化と社会保障財源の安定的な確保のためには、消費税率を引き上げるしかないことは、多くの国民が理解している。首相が消費税問題で逃げの姿勢を取ることは許されない。

 谷垣総裁は、先の通常国会で廃案となった財政健全化に関する自民党の法案を、秋の臨時国会に提出し直す意向を表明した。審議に入るなら、民主党との修正協議に応じるとも述べた。

 法案には、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化する目標などが盛り込まれ、菅政権が6月にまとめた財政運営戦略とかなりの部分が共通する。

 これをきっかけに、税財政改革に関する超党派協議を始めることも可能なはずだ。

 にもかかわらず、首相は「真摯(しんし)に受け止め、前向きに検討するよう党に指示したい」と答えるのが精いっぱいだった。

 民主党には、小沢一郎・前幹事長のグループを中心に消費税論議を牽制(けんせい)する勢力がいる。9月の党代表選を前に、首相は、再選反対の声が党内に広がることを警戒して、慎重な言い方をせざるを得なかったのだろう。

 だが、首相がそんな及び腰の姿勢では、超党派協議はいつまでも始まらない。財政への危機感が本物なら、党内論議を急ぐよう指導力を発揮するのが筋だろう。

 米軍普天間飛行場の移設や「政治とカネ」の問題でも、首相の答弁は具体性を欠き、あいまいなものに終始した。

 “内憂”に気を取られて安全答弁を繰り返していては、ねじれ国会の打開に不可欠な野党との協力関係は築けない。政権の求心力も高まらず、党代表選での再選戦略にもマイナスでしかあるまい。

 首相はもっと攻めの姿勢で国会論戦に臨むべきである。

2010年8月3日01時41分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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