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8月2日付 よみうり寸評

 桜子ちゃんと(かえで)ちゃん。3歳の姉と1歳の弟が大阪市西区のマンションで寄り添うようにして死んでいた。生まれた季節を想像させる可愛(かわい)い名に不憫(ふびん)が募る◆孤立した育児の危険性はつとに指摘されてきたが、これは孤立が招いた無責任な育児放棄で残酷の極み。まだ23歳の未熟な母親の無軌道ぶりに暗然とする◆と同時に、昨年5月に離婚して、今年1月から風俗店で働き、育児には孤立無援だった状況を思う。二人を置き去りにしてホストクラブで遊び回る。マンションの水道使用量が2か月で「0」◆ベランダにはゴミの山。虐待を疑わせる通報が3月から3度も市の児童相談所に寄せられ、職員が訪ねながら接触できず、この残酷な結果となった◆この母親は周囲に何も相談せず、ゆがんだ自立を続けていた。「人間、何にも依存せずには生きられない。依存なき自立は孤立になる」は別事件の当欄で書いた◆そのうえ児童相談所の強制立ち入りがこのように機能しないなら、不憫な子どもの残酷物語に終わりはない。

2010年8月2日13時54分  読売新聞)
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