
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37712 Content-Type: text/html ETag: "15c535-15e3-6798a680" Expires: Sun, 01 Aug 2010 01:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 01 Aug 2010 01:21:41 GMT Connection: close
![]() 「111歳」男性 背後にある高齢者行政の不安(8月1日付・読売社説)この人はなぜ、長い年月、“健在”でいられたのだろう。驚きとともに疑問が尽きない。 7月22日で111歳、東京都内の男性最高齢者とされていた人が、実は30年以上前に死亡しており、自宅ベッドに寝かされたまま、白骨に近い状態で見つかった事件だ。 東京都足立区の家には、ともに80歳代の長女夫婦と、49歳と53歳になる孫2人が暮らしていた。 孫の話では、男性は三十数年前に「即身成仏したい」と言って部屋に閉じこもり、そのまま亡くなったという。以来、家族は部屋に入ることもないまま、今日に至ったとされている。 にわかには信じがたい話だ。警視庁が保護責任者遺棄致死の疑いで調べているが、亡くなった経緯の解明は容易ではなかろう。 確かな点は、男性が戸籍上は生存し、ずっと年齢を重ねていたことである。 2004年に死去した妻の遺族共済年金と、それ以前は本人の老齢福祉年金も支給されてきた。1000万円近くが振り込まれた銀行口座からは、相当額が引き出されていた。 警視庁は年金詐欺の疑いでも事情を聞くという。 親の年金を頼りに生活してきた子が、死亡を隠して受給し続けるケースは最近、各地で発覚している。新たな不正を招かぬためにも徹底した捜査を求めたい。 今回の事件は、区の民生委員が何度訪問しても家族が本人に会わせないことを不審に思い、区が警察に相談したことで、ようやく事態が判明した。 厚生労働省などは「家族に拒まれれば、行政がそれ以上立ち入るのは困難」という。 それまで区は、男性の顔も近況も分からぬまま、事務的に長寿祝いの品を届けていた。 この状況には、高齢者の虐待防止や健康確認の面からも 診療や高齢者サービスを長期間受けていない、といった情報が分かる仕組みがあったなら、行政はもっと早く動けた可能性がある。社会保障制度をうまく連携させることが重要だ。 近年は、長寿者名簿もプライバシーへの配慮から、本人や家族の希望ということで実名を出さないケースが増えている。必ずしも、行政の担当者が直接会って近況を確認しているわけではない。 高齢者行政の不安な一面を浮き彫りにした事件でもある。 (2010年8月1日01時24分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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