HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38012 Content-Type: text/html ETag: "1008fc-161b-3676b4c0" Expires: Thu, 29 Jul 2010 20:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 29 Jul 2010 20:21:38 GMT Connection: close 民主参院選総括 代表選に持ち越した最終決着 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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民主参院選総括 代表選に持ち越した最終決着(7月30日付・読売社説)

 民主党の菅執行部は、当面のハードルを一応乗り越えた。だが、今後の政権運営は依然厳しいことを自覚し、態勢を立て直す必要があろう。

 参院選敗北を総括する民主党両院議員総会が開かれ、菅首相は消費税率引き上げをめぐり、「不用意な発言で皆さんに重い選挙を強いた」と陳謝した。

 出席者からは「最高司令官が責任を取るのが当たり前だ」「首相は勝手に政権公約を変えた」などと首相や枝野幹事長の辞任を求める声が相次いだ。だが、最後は、9月の党代表選まで現執行部体制を継続することが了承された。

 執行部が作成した参院選の総括文書は、消費税をめぐる首相発言が「国民に唐突感を与えた」ことを第一の敗因に挙げた。

 指摘はもっともだが、税率引き上げへの国民の理解は広がっている。民主党は消費税に関する立場を後退させることなく、税制と社会保障に関する党内論議と超党派の協議を急ぐべきだ。

 総括文書は、民主党の参院選公約が不明確で、衆院選の政権公約の約束を放棄したとの誤解を生じたことも敗因と分析した。だが、この解釈には疑問が残る。

 子ども手当、高速道路の無料化など政権公約のバラマキ政策は、財源不足が明確になり、事実上破綻(はたん)している。多くの国民が問題視しており、政権公約見直しが不十分だったことこそが敗因だ。

 民主党が目指すべきは、政権公約の原点に立ち返ることではない。逆に、公約の過ちを率直に認め、現実的な内容になるよう大胆に見直して出直すことだ。

 さらに問題なのは、鳩山前首相と小沢一郎前幹事長の「政治とカネ」や米軍普天間飛行場移設の問題の迷走に、総括文書がほとんど言及していないことだ。

 これらの問題では、民主党の自浄能力と政権担当能力の欠如が露呈した。これを克服せずに、民主党の再建はあり得まい。

 菅内閣の支持率が低迷する中、衆参ねじれの臨時国会がきょう召集される。代表選では、小沢氏支持グループが対立候補の擁立を模索しており、菅政権は、守りの姿勢ばかりが目立っている。

 だが、「首相のたらい回しは避けるべきだ」という党内外の“世論”を頼みとして、ひたすら低姿勢を貫くだけでは、政治は停滞し、政権の求心力も回復しない。

 景気回復と財政健全化の両立、日米関係の修復など、山積する政策課題に積極的に取り組み、着実に実績を上げることが肝要だ。

2010年7月30日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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