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7月26日付 よみうり寸評

 「この国の横綱として、力士代表として天皇賜杯だけは頂きたかった」白鵬は日本人以上に日本の力士として名古屋場所を勤め上げた◆「この国の…」を聞いてそう思った。その思いで15日間を勝ち抜いた。3場所連続全勝優勝、47連勝の偉業をなしとげ、一人横綱の重責を果たした白鵬に喝采(かっさい)。千秋楽、把瑠都とのがっぷり四つの力相撲には感動した◆力士が土俵上で踏む〈四股(しこ)〉は地中の邪気を(はら)い、大地を鎮める神事に由来する。今場所の横綱は地面の下の悪霊を踏みつける思いで四股を踏み、土俵入りを務めたのではないか◆優勝旗を受けた白鵬の目に涙があった。賜杯を始め、いつもの場所なら続く数々の表彰がない。NHKのTV中継もない。異例、異常で不名誉な場所だった◆大相撲存亡の危機の名古屋場所を全勝で乗り切った安堵(あんど)と、大記録の達成が「こんな場所なので」素直に喜べない悔しさ残念さが、ないまぜになった涙だろう◆数々の不祥事は積年の病弊の噴出だ。改革の断行なしに大相撲の明日はない。

2010年7月26日13時40分  読売新聞)
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