HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 26 Jul 2010 20:14:34 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:名古屋場所終了 ここからが正念場だ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

名古屋場所終了 ここからが正念場だ

2010年7月26日

 さあ、これからが正念場だ。やっとの思いで開いた名古屋場所は終わったが、真の大相撲改革はここから始まる。相撲界は、まったくの白紙からやり直す覚悟を持たねばならない。

 多数の力士や親方が野球賭博に手を染めていたことが白日の下にさらされ、かつてない窮地に追い込まれた大相撲。開催すべきかどうか、賛否相半ばした名古屋場所はなんとか行われたが、大関琴光喜は解雇処分、幕内・十両の関取十人が謹慎で出場できず、NHKの生中継は中止という非常事態となった。本場所中止は辛うじて避け、横綱白鵬の三場所連続全勝優勝でとりあえずは十五日間を終えたものの、長年培ってきた信頼が完全に地に落ちたのは否定しようがない。

 場所中にも、暴力団関係者との接触の疑惑が次々と出てきた。問題の根は深い。失った信用をどう取り戻すか。すべてはここからの対応にかかっている。

 改革への道を探るために設けられた、外部メンバーによる独立委員会が動きだしている。反社会的勢力の排除はもちろんのこと、年寄名跡や部屋制度のあり方など、独自の伝統にかかわる問題についても論議されていく見通しだ。こうした動きには相撲協会の力士出身者から強い反発も出ているが、それは危機意識がまだまだ足りない表れだろう。根幹部分にまで触れる改革となれば反発するのもわからないではないが、それもこれも相撲界の独善的、閉鎖的な体質、思考形態がもたらした結果ゆえではないか。

 ここは、すべてについてゼロから考え直すべき時だ。これまでのしきたりや既得権益などにとらわれていては、また同じことを繰り返しかねない。大相撲そのものが生き残れるかどうか、この国民の宝をどう立て直すかの瀬戸際なのである。結論がどうなるかはともかく、どんな側面に関しても、あえて白紙から問い直す姿勢こそが求められている。改革に聖域やタブーをつくってはならない。

 大相撲は多くのファンに愛されている。今回、テレビ中継の空白に寂しい思いをした人々も少なくなかろう。だが、国民的娯楽としての信頼と愛着が根本から揺らいだのもまた明らかだ。

 異例ずくめの名古屋場所は千秋楽を迎えたが、状況は何も変わっていない。次の場所がどうなるかも見えていない。すべてはここからだ。協会員一人一人の覚悟のほどが、いま試されている。

 

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