HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 26 Jul 2010 23:14:41 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:英国の作家サミュエル・スマイルズの『自助論』は明治維新直後…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年7月27日

 英国の作家サミュエル・スマイルズの『自助論』は明治維新直後に『西国立志編』(中村正直訳)の名で紹介された。百万部が売れ、福沢諭吉の『学問のすゝめ』とともに近代日本を築く原動力になった▼その中に<人を偉大にするものはすべて労働によって得られる。文明とは労働の産物である>という一節がある。人間の尊厳は、働くことと分かち難く結び付いているという▼働かずして高額の報酬を受け取る選良の気分はどうだろう。わずか六日間の在任期間しかない参院選の当選者に、七月分の歳費などの全額計約二百三十万円が支払われるという▼この問題が注目されたのは昨年の衆院選だ。「日給百十五万円!」と国民はあきれ返ったが、与野党の怠慢で、日割り支給にするための法改正はずっと先送りされてきた▼三十日召集の臨時国会で、みんなの党と公明党は日割り支給に向けた歳費法の改正案を提出する方針だが、民主党と自民党の動きは鈍い。民主党は参院選のマニフェストで「日割り」を明記している。国民感覚から遠く離れたこの問題をいつまで放置するつもりなのか▼折しも、永田町では十二階建ての豪華な新議員会館が完成し、引っ越しの真っ最中である。<天は自ら助くる者を助く>は『自助論』の有名な言葉だ。この問題すら解決できない国会が、議員の定数削減などできるわけがない。

 

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